当然な純情な感情

出会い系をやっていて、知り合った女の子とメールを始めた。
彼女は都内の専門学校に通う学生らしい、メールを重ねて行くと色々と彼女
の事を知る事ができた。

中でも好きなバンドが一緒だったことにびっくり、そして嬉しい事に彼女は芸能人の
佐々木望に似ていると友達に良く言われると言う。

何と言う、出会い系の神様はまだオレを見捨ててはいなかった。
夜な夜なメールを重ねて寝る日々が続く。
目を閉じると今、メールをしている彼女とすでに付き合っているという事を仮定してい
る夢。

仕方がない、男というのはそういう生き物。
テレビで佐々木望を見ると、今、彼女と似ている女の子とメールしているオレは
勝ち組だと確信した。

そして思い切って今度会ってみようと切り出したところ、彼女は快くOKしてくれた。
次の日、待ち合わせは彼女の通う専門学校近くの駅。
オレは期待、緊張、その他諸々のことで胸が膨らむまま寝れずに夜を明かした。

オレは時間前に着き彼女を待った。おそらく、あちらから来るだろうと西口の
改札口の前で佐々木望を待った。
絶対カワイイだろう……、やべ、会ったら最初に何を話そう、そんな事ばかり考えて
いると、彼女からメールが来た。

おおっ、と急いでメールを読んでみると。
「西口、着いたよ♪」
という内容。

オレは画面からすぐに周囲を探した、佐々木望を。
そんな中、自分と同じように誰かを探す茶髪のブt、じゃなくて女性が見えた。

え? まさか、ちっ、違うよな……。
しかし、今西口で誰かを探しているのはオレとその彼女だけ。
メールの着信音が鳴る。
「ねぇ、どこにいるの?」

ブタは携帯でメールを操作しながらキョロキョロと辺りを探していた。

そう、彼女が自称佐々木望。
似ても似つかない容姿だった。あれならドラえもんと言った方がまだ愛嬌が
あった。

オレは絶望に打ちひしがれながらそのまま改札を潜り帰った。

2011年12月8日

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